36歳の夏、妻を失って

36歳の夏、私は最愛の妻を自死で失った。

あの日の朝、目を覚ますと、彼女の姿がなかった。まだ眠っているのかと思いながら家の中を探し回った。そして見つけたのは、動かない彼女の姿だった。その瞬間、現実を受け入れることができなかった。ただ、何かがおかしいと感じ、混乱しながらも救急に連絡し、必死に心臓マッサージを行った。どうか息を吹き返してほしい、助かってほしい――そう願いながら、何度も何度も押し続けた。

やがて救急隊が到着し、迅速に対応してくれた。しかし、彼らの口から告げられたのは「死亡」という言葉だった。その瞬間、世界が崩れ落ちたような感覚に襲われた。心臓マッサージをしていた手が震え、力が抜け、何も考えられなくなった。ただ、その場に座り込み、現実を受け入れられずにいた。

私たちには、まだ小さな子どもがいた。彼らを育てていかなければならないのに、妻がいない現実をどう受け止めればいいのか分からなかった。絶望と喪失感が押し寄せ、何もかもが無意味に感じられた。

それでも、時間は無情にも流れていく。子どもたちのために、私は立ち上がらなければならなかった。でも、どうやって? 妻を失った悲しみを抱えながら、子どもたちを守り、育てていく方法が分からなかった。ただ、一歩ずつでも進んでいくしかない――そう自分に言い聞かせることしかできなかった。

あの夏の日から、私の人生は大きく変わった。失ったものの大きさに押しつぶされそうになりながらも、それでも生きていかなければならないという現実と向き合っている。

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