妻がいなくなった翌日、悲しむ間もなく、葬儀や通夜の準備が始まった。
何をどうすればいいのか、何から手をつければいいのか、頭がうまく働かない。それでも、決めなければならないことが山のようにあった。日程をいつにするか、どこで行うか、誰に知らせるか――考えるだけで胸が締めつけられる。できるだけ多くの人に彼女を見送ってもらいたくて、土曜日に通夜と日曜日に葬儀を行うことに決めた。
しかし、そのためには一人ひとりに訃報を伝えなければならなかった。「妻が亡くなりました」と言葉にするたび、涙があふれて止まらない。口にすればするほど、現実が突きつけられるようで、心が崩れそうになった。それでも、連絡しなければならない。彼女を知る人に伝えなければならない。だけど、何度伝えても、実感が湧かない。ただ夢の中にいるような感覚だけが残った。
家には親族が集まってくれていた。気にかけてくれる人がいる。それなのに、どうしようもなく寂しさが消えない。部屋には人の気配があるのに、妻がいないだけで、家の中がまるで空っぽになったように感じる。みんなが声をかけてくれる。でも、その言葉すら、どこか遠くの音のように聞こえる。ただ、心の奥底にぽっかりと穴が開いたようで、そこに何を詰めても埋まらない。
そして、何よりも不安なのは子どもたちのことだった。彼らの目には、どんな世界が映っているのだろう。どう声をかければいいのか、何をどう伝えればいいのか、わからなかった。これからどうやって育てていけばいいのか、その道筋すら見えなかった。
それでも、時間は待ってはくれない。次々と準備を進めなければならなかった。役所への届け出、葬儀の打ち合わせ、書類の記入――やらなければならないことは山ほどある。でも、すべてが重くのしかかり、手を動かすのも嫌になった。ただでさえ心が追いついていないのに、現実だけが先に進んでいく。
それでも、立ち止まるわけにはいかない。妻をしっかりと送り出すために、そして、子どもたちのために。気持ちが追いつかなくても、ただ一歩ずつ進んでいくしかなかった。
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